物件・内装

ジムを居抜きで譲渡する物件の探し方|費用相場と東京エリアの最新情報

無人ジムや24時間ジムの開業を検討する際、内装や設備をそのまま活用できる居抜き物件は初期費用を抑える有力な選択肢です。

本記事では、ジムの居抜き譲渡物件の探し方から費用相場、東京エリアの最新動向まで、経営判断に役立つ情報を紹介します。

ジムの居抜き譲渡物件とは何か

ジムの居抜き譲渡物件とは、前テナントが使用していた内装や設備をそのまま引き継いで開業できる店舗物件を指します。

骨組みのみのスケルトン物件と異なり、器具や空調などを活かせる点が特徴で、契約時には「造作譲渡」という考え方が関わります。

まずは基本の仕組みを整理します。

居抜きとスケルトンの違い

居抜き物件は、前のテナントが使用していた内装・設備・什器などが残された状態で引き渡されるテナントを指します。

一方でスケルトン物件は、天井・床・壁などの躯体のみが残された状態で、内装や設備をゼロから作り込む必要があります。

ジムの居抜き店舗物件であれば、トレーニング機器や更衣室、シャワー設備などをそのまま活用できるため、内装工事の期間を数週間から1〜2カ月程度に短縮できるケースが多く、開業までのスピードと初期費用の両面で有利になりやすい点が大きな違いです。

比較項目 居抜き物件 スケルトン物件
引き渡し状態 内装・設備・什器が残された状態 天井・床・壁などの躯体のみ
内装・設備工事 既存設備を流用できる場合がある ゼロから作り込む必要がある
開業までの期間 数週間〜1〜2カ月程度に短縮できるケースが多い 設計・施工の工程が一通り必要

造作譲渡の仕組みと契約の流れ

造作譲渡とは、内装・設備・什器などの「造作」を前テナントから金銭を支払って譲り受ける取引を指します。

賃貸借契約とは別に譲渡契約を結ぶ必要があり、貸主(オーナー)の承諾が前提となる点に注意が必要です。

一般的な流れとしては、まず居抜き物件情報を扱う不動産会社やテナント一覧サイトで物件を探し、次に前テナントとの造作譲渡条件を確認、その後に貸主へ賃貸借契約の巻き直しを申請し、承諾が得られた段階で譲渡契約と賃貸借契約を同時に締結するという手順が基本です。

無人ジム・24時間ジム開業に向く理由

無人ジムや24時間ジムは、マシン配置やレイアウトが標準化されやすい業態のため、居抜き物件との相性が良いとされています。

前テナントがパーソナルジムやフィットネススタジオであった居抜き店舗物件であれば、床材や電源容量、防音設備などがすでに業態に適した状態で整っており、法人代表や個人事業主が投資判断を行ううえでも、追加投資額を事前に見積もりやすい利点があります。

格闘技ジムやボクシングジムからの用途転用を検討する場合も、既存設備の流用可否を早期に確認できる点は経営判断のスピードを高める要素といえます。

居抜き物件がお得とされる理由と注意点

POINT

居抜き物件がジムの居抜き開業でお得とされるのは、内装・設備の初期投資を抑えられる点が最大の理由です。

一方で残置物の老朽化や原状回復義務の引き継ぎなど、契約前に確認しないと後から費用負担が発生するリスクも存在します。

メリットとデメリットの両面を把握したうえで、居抜き物件ジムの選定を進めることが重要です。

新規開業と比べた費用削減効果

居抜き店舗物件を活用した開業では、内装・設備工事費をスケルトンからの新規開業と比べて大幅に圧縮できるとされています。

競合データによれば、パーソナルジムや24時間ジムのスケルトン開業では内装・設備費だけで数百万円規模の投資が必要になる一方、居抜き物件であれば既存の床材やマシン、電源設備を流用できるため、新規開業の3分の1程度まで初期費用を抑えられるケースがあると紹介されています[1]。

東京ジム居抜きの物件情報を扱うポータルサイトでも、この費用削減効果が集客の訴求ポイントとして強調されています。

残置物・老朽化設備のリスク

⚠ 注意

費用面のメリットが大きい一方で、残置設備が老朽化している場合は追加コストが発生するリスクにも注意が必要です。

特に空調設備や水回りは経年劣化が進んでいるケースが多く、内見時の目視だけでは不具合を見落とすことがあります。

内見時には、空調の稼働年数と点検履歴、給排水管の劣化状況、電源容量が想定するマシン台数に耐えられるか、消防設備の点検記録が最新かどうかを確認しておくと、契約後の想定外の出費を防ぎやすくなります。

前テナントがボクシングジムや格闘技ジムであった場合は、床の防音・防振加工の劣化具合も合わせて確認しておくとよいでしょう。

原状回復義務の引き継ぎ問題

造作譲渡契約においては、退去時の原状回復義務の範囲がどこまで前テナントから引き継がれるのかを事前に確認することが欠かせません。

⚠ 注意

賃貸借契約書上の原状回復義務は新たな借主である開業者自身が負うのが一般的であり、前テナントが残した設備の撤去費用まで負担することになりかねない点は見落とされがちなリスクです。

交渉の際は、造作譲渡契約書に原状回復義務の範囲を明記してもらい、将来的な負担を前テナントまたは貸主とどう分担するかをあらかじめ書面で取り決めておくことが、無用なトラブルを避けるうえで有効です。

居抜き物件探しで確認すべき費用相場

POINT

ジムの居抜き物件を検討する際には、造作譲渡金・賃料・契約時費用という3つの費用項目を分けて把握しておくことが大切です。

造作譲渡金は30万〜100万円台、契約時費用は賃料の6〜10ヶ月分が目安とされ、さらに用途変更に伴う消防設備工事費が加わるケースもあります。

これらを合算した資金計画を立てることで、開業後の想定外の出費を防ぎやすくなります。

造作譲渡金の相場(30万〜100万円台)

造作譲渡金とは、前テナントが設置した内装や設備を引き継ぐ対価として支払う費用のことです。

東京都内のパーソナルジム・24時間ジム向け居抜き物件では、六本木エリアで33万円や66万円といった事例が見られ[2]、坪数や設備の充実度によって30万〜100万円台まで幅があるのが実情です。

マシンやシャワー設備が充実している物件ほど譲渡金は高くなる傾向があり、格闘技ジムやボクシングジムからの業態転用を狙う場合は、リング撤去や床材の張り替え費用も含めて総額を見積もる必要があります。

相場感をつかむうえでは、複数の居抜き物件を比較しながら坪単価あたりの譲渡金を確認する視点が役立ちます。

敷金・礼金など契約時費用の目安

居抜き物件であっても、賃貸借契約そのものは新規に巻き直すのが一般的です。

⚠ 注意

そのため敷金・礼金・保証金といった契約時費用は、内装や設備が新品かどうかに関わらず新規契約と同水準になる点に注意が必要です。

目安としては賃料の6〜10ヶ月分程度を用意しておくケースが多く、造作譲渡金とは別枠の資金として確保しておく必要があります。

特に法人での契約では保証金の割合が高めに設定されることもあるため、物件ごとの契約条件を事前に不動産会社へ確認しておくと安心です。

消防設備・レイアウト変更の追加費用

前テナントが有人型のスポーツクラブやスタジオであった場合、無人ジム・24時間ジムへ用途変更する際に消防設備の追加工事が必要になることがあります。

具体的には、自動火災報知設備の増設や誘導灯の追加、防火区画の見直しなどが挙げられ、工事内容によっては数十万円単位の追加費用が発生する場合があります。

レイアウト変更に伴い避難経路の確保が求められるケースもあるため、契約前に所轄の消防署へ相談し、用途変更に必要な手続きと概算費用を把握しておくことが望ましいでしょう。

東京エリア別ジムの居抜き物件事情【2026年9月時点】

東京都内でジムの居抜き物件を探す場合、エリアによって出やすい業態や賃料水準に違いがあります。

2026年9月時点では、豊島区は駅近の小規模テナント、中央区はオフィス街需要を背景にした法人利用向け物件、港区はパーソナルジムの居抜き物件が集中する傾向が見られます。

以下で各エリアの特徴を紹介します。

エリア 主な物件傾向 想定される用途
豊島区(池袋周辺) 駅徒歩5〜10分圏内/15〜25坪程度の小規模テナントが中心 パーソナルジム・小規模ボクシングジム・24時間ジム
中央区(銀座・日本橋周辺) オフィス街に隣接/賃料水準は高めに設定されるケースが多い 法人向け・ビジネスパーソン向け無人ジム
港区(六本木・西麻布周辺) パーソナルジムの居抜き物件が多く流通/造作譲渡金は33万円・66万円の事例あり パーソナルジム・格闘技ジム・会員制スタジオ

豊島区(池袋周辺)の物件傾向

豊島区、特に池袋駅周辺は徒歩5〜10分圏内で居抜きの貸店舗物件が出やすいエリアとして知られています。

坪数は15〜25坪程度の小規模テナントが中心で、パーソナルジムや小規模なボクシングジムへの転用事例が目立ちます。

学生や単身者の往来が多い立地特性から、24時間ジムのニーズとも相性が良く、賃料を抑えつつ集客力のある物件を探したい事業者に検討されやすいエリアです。

中央区(銀座・日本橋周辺)の物件傾向

中央区の銀座・日本橋周辺は、オフィス街に隣接する立地特性から法人向けの居抜きテナントが出やすい傾向にあります。

会員制ジムやスタジオが撤退した後の物件が居抜きとして流通することがあり、賃料水準は豊島区や港区の一部エリアと比べても高めに設定されるケースが多く見られます。

ビジネスパーソンをターゲットにした無人ジムを検討する法人代表にとって、通勤動線を活かせる立地として注目されるエリアです。

港区(六本木・西麻布周辺)の物件傾向

港区の六本木・西麻布周辺は、パーソナルジムの居抜き物件が多く流通する高級エリアとして知られています。

競合事例では造作譲渡金が33万円や66万円といった水準で紹介されており[3]、他エリアと比べても幅がある点が特徴です。

格闘技ジムや富裕層向けの会員制スタジオが撤退した跡地が居抜きとして出ることもあり、東京都内でパーソナルジムの居抜き物件を探す事業者にとって選択肢の多いエリアといえます。

よくある質問

ジムの居抜き譲渡物件を検討する際には、物件探しの方法や造作譲渡金の相場、用途変更時の注意点など、経営判断に直結する疑問が数多く出てきます。

ここでは法人代表や個人事業主から寄せられやすい質問を取り上げ、それぞれについて具体的に回答します。

Q. ジムの居抜き物件はどこで探せますか?
A. ジムの居抜き物件を探す方法としては、居抜き・譲渡専門の不動産ポータルサイトで店舗物件検索を行い、テナント一覧から条件に合う貸店舗を絞り込む方法が一般的です。加えて、ジム物件専門の不動産会社に相談すると、パーソナルジム居抜きや24時間ジム向けの非公開情報を紹介してもらえる場合があります。豊島区や港区など居抜き店舗物件が出やすいエリアを軸に、会員登録して最新の物件情報を継続的に確認する探し方も有効です。
Q. パーソナルジムでも居抜き物件は使えますか?
A. パーソナルジムの居抜き物件は東京都内で使える事例が豊富にあり、港区の六本木・西麻布周辺を中心に、パーソナルジム居抜きとして貸店舗が流通しています。ただし前テナントの業態と、開業予定の業態が一致するとは限りません。格闘技ジムやボクシングジムへの転用を検討する場合は、換気設備や床材の耐荷重、防音対策などが既存業態と異なるため、貸主への相談と承諾が前提になります。パーソナルジム可能な物件かどうかは、契約前に用途変更の可否を必ず確認しておく必要があります。
Q. 24時間ジムへの用途変更で注意すべき点は?
A. 24時間ジムへの用途変更では、有人店舗を前提に設計された居抜き物件をそのまま使えない場合がある点に注意が必要です。特に無人ジムは深夜の入退店を想定するため、防犯カメラや電子錠による入退室管理、非常時の通報設備などセキュリティ面の追加投資を見込んでおく必要があります。また利用者が単独でトレーニングする動線を考慮し、器具配置や避難経路の再設計が求められるケースもあります。加えて消防法上、収容人数や用途区分が変わると自動火災報知設備の増設が必要になることがあるため、契約前に所轄消防署と貸主双方に確認しておくと安心です。
Q. 居抜き物件の造作譲渡金はいくらが相場ですか?
A. ジムの居抜き物件における造作譲渡金は、30万円台から100万円台まで幅があり、坪数や残置設備の状態によって変動します。港区六本木エリアの事例では33万円、66万円といった比較的抑えられた価格帯も見られ、都心の一等地であっても必ずしも高額になるとは限りません。一方で厨房機器並みの空調設備やトレーニング機器がそのまま使える物件では、設備の再調達コストを考慮して100万円台に達するケースもあります。居抜き物件ジムを探す際は、譲渡金の内訳と設備の稼働状況を照らし合わせて、実質的な費用対効果を判断することが重要です。
Q. 既存スポーツクラブを無人化する際の注意点は?
A. 既存のスポーツクラブを無人ジムへ改装する場合、受付やロッカー管理を有人からセルフ管理へ切り替えるための設備更新費用が発生します。具体的には電子錠付き入退室システムや防犯カメラ、非常通報装置の導入費用がかかり、規模にもよりますが数十万円単位の投資を見込んでおく必要があります。また賃貸借契約が既に締結されている場合は、用途変更や営業時間の延長が契約条件に抵触しないか貸主と事前に確認することが欠かせません。遊休不動産オーナーが自ら無人ジムへ転換するケースでは、造作譲渡契約を新たに結ぶ相手を探す前に、既存設備の減価償却状況を整理しておくと交渉がスムーズに進みます。

まとめ

POINT

ジムの居抜き譲渡物件は、新規開業に比べて内装・設備費を抑えられる一方、残置設備の老朽化や原状回復義務の引き継ぎなど確認すべき点も多くあります。

豊島区・中央区・港区といった東京都内のエリア特性や造作譲渡金の相場を踏まえ、まずはジム物件専門の不動産会社に相談し、費用対効果を見極めたうえで開業計画を進めることをおすすめします。