開業準備

24時間ジム開業の費用相場|無人ジムのマシン費用や補助金も紹介

無人運営が可能な24時間ジムは、初期費用を抑えつつ手離れの良い経営ができる業態として、法人代表や個人事業主から注目されています。

ただし開業を検討する際は、物件取得費やマシン費用、フランチャイズ加盟料などを含めた資金計画が欠かせません。

本記事では費用相場の内訳から補助金活用、失敗を防ぐ本部選びのポイントまで解説します。

24時間ジム開業に必要な費用の全体像

24時間ジムや無人ジムの開業には、物件取得費、内装工事費、マシン導入費、入退室管理システム費など複数の費用項目が発生します。

まずは総額の目安を把握し、そのうえで各費用の内訳や開業後のランニングコストまで見通しておくことが、無理のない資金計画につながります。

開業資金の総額目安(小規模〜中規模)

24時間ジムの開業資金は、10坪程度の小規模店舗であれば500万円〜1,000万円程度、30坪程度の中規模店舗では1,500万円〜3,000万円程度が目安とされています。

フランチャイズに加盟する場合は本部への加盟金が上乗せされる一方、店舗設計やマシン選定のノウハウを提供してもらえるため、個人で一からブランドを構築するよりも初期の意思決定にかかる負担は軽くなる傾向があります。

物件の立地や坪数、居抜き物件の有無によって金額は大きく変動する点も押さえておく必要があります。

初期費用の内訳(物件・内装・マシン等)

初期費用の内訳としては、保証金や仲介手数料を含む物件取得費が全体の1〜2割、内装工事費が2〜3割、トレーニングマシンの導入費が3〜4割を占めることが多く、残りを入退室管理システムや監視カメラなどのITシステム費、オープン時の広告費が占める構成が一般的です。

特にマシン費用は台数と種類によって総額を大きく左右するため、開業予定の坪数に対してどの程度のマシンを配置するかを早い段階で検討しておくことが、開業資金全体の精度を高めるうえで重要です。

初期費用の主な内訳と構成割合
  • 物件取得費(保証金・仲介手数料など):全体の1〜2割
  • 内装工事費:全体の2〜3割
  • トレーニングマシン導入費:全体の3〜4割
  • ITシステム費(入退室管理・監視カメラなど)
  • オープン時の広告費

開業後にかかる運営資金(ランニングコスト)

開業資金とは別に、毎月発生する運営資金の準備も欠かせません。

賃料や光熱費に加え、無人運営を支える入退室管理システムの保守費、清掃・警備の委託費などが主な項目で、規模にもよりますが月々数十万円程度が目安になるケースが多く見られます。

POINT

手離れの良い運営を実現できる無人ジムであっても、開業直後は会員数が安定するまでの数カ月分の運転資金を別枠で確保しておくことが、資金ショートを防ぐうえで欠かせません。

無人ジムのマシン費用と設備投資のポイント

無人ジムの経営を安定させるうえで、マシン選定と設備投資の考え方は開業前に押さえておきたい重要なポイントです。

有酸素マシンやフリーウェイト器具など種類ごとの費用感に加え、入退室管理システムといった無人運営を支えるITシステム費用についても、以降で具体的に解説します。

トレーニングマシンの種類別費用相場

トレーニングマシンはランニングマシンやエアロバイクなどの有酸素マシン、ダンベルやバーベルを用いるフリーウェイト器具、そして複数の部位を鍛えられるマルチマシンの3系統に大別されます。

有酸素マシンは1台あたり数十万円、多機能なマルチマシンは1台で百万円前後になることも珍しくなく、フリーウェイト器具は比較的安価な一方で台数を揃える必要があります。

10坪程度の小規模な無人ジムであっても、種類をバランスよく組み合わせると総額は数百万円規模になる点を踏まえ、開業予定の坪数と会員層に応じた台数計画を立てることが大切です。

マシンの種類 主な器具 費用の目安
有酸素マシン ランニングマシン、エアロバイクなど 1台あたり数十万円
フリーウェイト器具 ダンベル、バーベルなど 比較的安価だが台数が必要
マルチマシン 複数部位を鍛える多機能マシン 1台で百万円前後になることも

入退室管理・監視カメラなどITシステム費用

無人運営を成立させるうえで欠かせないのが、スマートロックなどの入退室管理システムと監視カメラです。

入退室管理システムは初期導入費に加えて月額利用料が発生する構成が一般的で、監視カメラも録画データの保存容量や遠隔監視サービスの有無によって費用が変動します。

これらのITシステムは、24時間ジムの安全性と手離れ運営を両立させるための基盤といえるため、初期費用だけでなく月々のランニングコストも含めて比較検討することが望ましいでしょう。

無人運営には利用者トラブルへの即応が難しいという無人ジムのデメリットも指摘されており、遠隔対応システムの充実度は開業後の会員数の安定にも影響します。

新品・中古マシンのコスト比較と選び方

マシン費用を抑える手段として中古マシンの活用が挙げられますが、新品と中古では価格差だけでなく耐久性やメンテナンス費用の面でトレードオフが生じます。

新品マシンは保証やメーカーサポートが受けやすく、開業直後のトラブルリスクを抑えやすい一方、中古マシンは初期費用を大きく圧縮できる反面、部品調達や修理対応に時間を要する場合があります。

経営者としては、開業資金の圧縮と長期的な稼働の安定性のどちらを優先するかを自身の資金計画と照らし合わせながら、種類ごとに新品・中古を使い分ける選び方も有効な選択肢となります。

フランチャイズ加盟と個人開業の費用比較

24時間ジムの開業には、大きく分けてフランチャイズに加盟する方法と、個人で独自ブランドを立ち上げる方法の2つの選択肢があります。

両者は初期費用の内訳やロイヤリティの有無、本部からのサポート体制が大きく異なるため、自身の経験や資金力、目指す事業規模に応じて比較検討することが重要です。

フランチャイズ加盟金・ロイヤリティの相場

24時間ジムフランチャイズに加盟する場合、一般的に加盟金として100万〜300万円程度、開業前の研修費として数十万円程度が必要となるケースが多く見られます。

加えて開業後は月々のロイヤリティが発生し、売上に対する一定割合や定額制など本部によって仕組みが異なります。

ロイヤリティには集客支援やマシンの一括仕入れ、システム保守などの本部サポートが含まれることが多く、単純な金額の高低だけでなくサポート内容とのバランスで本部選びを行う視点が欠かせません。

個人開業(独立系)の費用とメリット・デメリット

フランチャイズを利用せず、独自ブランドで個人経営のジムを開業する場合、加盟金やロイヤリティが不要になる分、初期費用を抑えやすい傾向があります。

一方で、マシン選定やITシステムの手配、広告戦略の立案などをすべて自身で行う必要があり、フィットネス業界での経験が薄い経営者にとってはノウハウ構築の負担が大きくなりがちです。

会員数を安定させるまでの集客活動も自己責任となるため、開業資金だけでなく運営体制の設計力も問われる選択肢といえます。

既存スポーツクラブを無人化する場合のコスト

既存の有人スポーツクラブを24時間ジムへ転換し無人運営に切り替える場合、入退室管理システムや監視カメラなどの追加設備投資が新たに発生します。

一方で、スタッフの人件費を大幅に削減できるため、中長期的には収入の安定と手離れ運営の両立が期待できる点が大きな魅力です。

既存施設のオーナーが無人化を検討する際は、設備投資額と人件費削減効果を比較し、投資回収の見込み期間を具体的に試算したうえで転換の是非を判断することが望ましいでしょう。

24時間ジム開業で使える補助金・助成金制度

24時間ジムの開業費用は決して小さな金額ではありませんが、条件を満たせば公的な補助金・助成金制度を活用して負担を軽減できる可能性があります。

ここでは代表的な制度と、申請時に気をつけておきたい実務上のポイントを解説します。

小規模事業者持続化補助金の活用ポイント

小規模事業者持続化補助金は、常時使用する従業員数が20人以下(サービス業の場合は5人以下が対象になる枠もあります)の事業者を対象とした制度で、販路開拓や業務効率化のための取り組みに活用できます。

補助率は3分の2、補助上限額は申請枠によって50万円から200万円程度とされており、24時間ジムの開業においては広告費やホームページ制作費、一部の設備費に充てられる可能性があります。

⚠ 注意

2026年時点の公募要領は年度ごとに変更されるため、最新情報を必ず確認することが重要です。

事業再構築補助金・創業融資など他の資金調達手段

より大きな金額の開業資金が必要な場合は、事業再構築補助金や日本政策金融公庫の創業融資も検討に値します。

事業再構築補助金は既存事業からの業態転換や新分野展開を支援する制度で、既存スポーツクラブを無人ジムへ転換する場合などに適用できる可能性があります。

創業融資は自己資金の状況や事業計画の具体性が審査で重視されるため、会員数の見込みや損益分岐点を数字で示せる事業計画書を用意しておくと、審査での説得力が高まります。

主な資金調達の手段
  • 小規模事業者持続化補助金:販路開拓や業務効率化の取り組みに活用(補助率3分の2、上限50万〜200万円程度)
  • 事業再構築補助金:業態転換や新分野展開を支援。既存クラブの無人化転換などに適用の可能性
  • 日本政策金融公庫の創業融資:自己資金の状況や事業計画の具体性が審査で重視される

補助金申請時に注意すべきポイント

補助金は多くの場合、支出を先に行い、事業完了後に補助金が交付される「後払い」の仕組みが原則です。

そのため、申請前に開業資金を自己資金や融資で確保しておく必要があります。

⚠ 注意

また申請書類の準備には一定の期間がかかり、採択率も100%ではないため、補助金の獲得を前提とした資金計画を立てることは避け、あくまで負担軽減の一手段として位置づけることが望ましいでしょう。

よくある質問

Q. 24時間ジムの開業費用は最低いくらから可能ですか?
A. 居抜き物件を活用し、中古マシンを中心に設備をそろえた場合、10坪程度の小規模な無人ジムであれば、開業資金を300万円台まで抑えられるケースもあります。物件取得費や内装工事費を最小限にし、入退室管理システムも必要最低限の機能に絞ることが条件です。一方で、新築・新品マシン中心の開業では1,000万円を超えることも珍しくなく、立地や設備水準によって費用は大きく変動します。自身の事業規模や集客戦略に合わせて、無理のない資金計画を立てることが重要です。
Q. 無人ジムフランチャイズは本当に儲かりますか?
A. 無人ジムフランチャイズの収益性は、会員数の推移や立地条件、周辺競合の状況によって大きく左右されるため、一概に儲かるとは言い切れません。ただし、24時間ジムフランチャイズには、有人ジムと比較して人件費を大幅に抑えられるという構造的なメリットがあります。スタッフを常駐させず入退室管理システムで無人運営を行うことで、一般的な有人フィットネスジムに比べて月々の固定費を圧縮しやすく、少ない会員数でも損益分岐点に到達しやすい収益モデルを構築できる点が特徴です。収支計画を立てる際は、月会費の設定額と想定会員数を掛け合わせた売上見込みから、賃料・光熱費・システム保守費・ロイヤリティなどの固定費を差し引き、何名の会員を確保すれば黒字化するかという損益分岐点を具体的に試算することが欠かせません。一般的に無人運営型の24時間ジムでは、300〜400名程度の会員獲得で単月黒字化を見込む事業計画が多く見られますが、これは立地や賃料水準によって変動します。安定した収入を得るには、開業前の市場調査と、開業後の集客施策を並行して継続する姿勢が求められるでしょう。
Q. ジム開業のマシン費用を安く抑える方法はありますか?
A. トレーニングマシンの費用を抑える方法としては、まず中古マシンの活用が挙げられます。有酸素マシンやフリーウェイト器具の中には、新品の6〜7割程度の価格で入手できる中古品も流通しており、状態の良い個体を選べば初期費用を大きく圧縮できます。次にリース契約という選択肢もあり、一括購入の代わりに月額費用で分割負担することで、開業時のキャッシュアウトを抑えながら最新設備を導入できる点がメリットです。さらに、ジムフランチャイズに加盟する場合は、本部が複数店舗分をまとめて仕入れることで単価が下がる一括仕入れの仕組みを活用できるケースもあり、個人経営で個別に調達するよりも有利な条件でマシンを揃えられる可能性があります。ただし中古品は保証範囲が限定されることも多いため、メンテナンス体制まで含めて比較検討することが大切です。
Q. 無人ジム開業に使える補助金は誰でも申請できますか?
A. 結論から言うと、無人ジムや24時間ジムの開業を検討しているすべての事業者が、補助金を無条件で利用できるわけではありません。小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金といった制度には、事業規模、業種区分、資本金や従業員数の上限、申請時期など細かな要件が定められており、これらを満たした上で審査を通過する必要があります。特に事業再構築補助金は採択率の変動が大きく、事業計画の実現性や市場性が厳しく評価される点に注意が必要です。自身だけで要件を正確に判断するのは難しい場合も多いため、中小企業診断士や商工会議所など専門家に早めに相談し、申請書類の準備期間も見込んだスケジュールを組むことをおすすめします。
Q. ジムフランチャイズで失敗しやすい理由は何ですか?
A. ジムフランチャイズ失敗の背景には、いくつかの典型的な要因があります。まず多いのが立地選定ミスで、周辺人口や競合状況を十分に調査せず出店した結果、想定していた会員数が集まらず収益が安定しないケースです。次に、開業時の初期費用に資金を集中させすぎて、開業後の集客投資が過小になる例も目立ちます。無人ジムはスタッフによる接客がない分、広告やSNS運用などで自身の店舗の存在を知らせる努力を怠ると会員数が伸び悩みます。さらに、近隣の24時間ジムフランチャイズや個人経営ジムとの競合調査が不足していると、価格競争に巻き込まれやすくなります。加えて、本部選びの段階でサポート内容を見誤り、実際には手離れ運営が難しかったというオーナーの声も少なくありません。契約前に複数のフランチャイズ一覧を比較し、研修体制や運営支援の範囲を具体的に確認することが失敗を避ける鍵になります。

まとめ

24時間ジムの開業費用は、規模やフランチャイズ加盟の有無によって幅がありますが、初期費用とマシン費用、そして開業後の運転資金を分けて把握しておくことが安定経営の第一歩です。

無人運営はスタッフの人件費を抑えられる一方、入退室管理や集客は自身で仕組みを整える必要があります。

POINT

フランチャイズ一覧を比較検討し、補助金の活用も視野に入れながら、無理のない資金計画を立てたうえで出店を進めることをおすすめします。