収支・経営

ジム経営の年収はどのくらい?無人・24時間ジムの収益モデルと利益構造を解説

ジム経営で得られる年収は、店舗規模や運営形態によって大きく異なります。

特に無人ジムや24時間ジムは人件費を抑えられる分、利益構造が独特です[1]。

本記事では収益モデルを数字で紐解き、開業判断の材料をご提供します。

ジム経営者の年収相場はいくらか

ジム経営の年収は、個人オーナーか法人経営か、またフランチャイズか独立系かによって大きく異なります。

個人オーナーは400万円〜1,000万円超と幅が広く、フランチャイズ経営では800万円〜1,000万円程度が一つの目安とされています[2]。

ここでは運営形態別に相場感を整理します。

運営形態 年収の目安
個人オーナー 400万円〜1,000万円超
フランチャイズ経営 800万円〜1,000万円程度
法人・多店舗展開 1,000万円以上を狙える構造
雇われトレーナー(会社員) 300万〜550万円程度

個人オーナーの年収レンジ

個人オーナーとしてジム経営を行う場合、年収は300万円台から1,000万円を超えるケースまで非常に幅広いのが実情です[2]。

都市部の駅近立地で会員数が順調に伸びれば高年収が見込めますが、地方や郊外で認知度が低い場合は300万〜400万円台にとどまることも少なくありません。

店舗規模や設備投資額、月会費の単価設定によっても手元に残る利益は変わるため、開業前に自店舗の想定会員数を具体的に試算しておくことが重要です。

法人・多店舗展開の年収水準

複数店舗を展開する法人経営や、フランチャイズで複数店を運営するオーナーは、年収1,000万円以上を狙える構造になりやすい傾向があります[3]。

1店舗あたりの利益が小さくても、店舗数を増やすことで総収益を底上げできるためです。

⚠ 注意

ただしフランチャイズの場合はロイヤリティ負担が継続的に発生し、本部からの集客支援や運営ノウハウの提供度合いによって、実質的な手取り収益は加盟先ごとに差が出る点に注意が必要です。

雇われトレーナーとの年収比較

会社員として働くパーソナルトレーナーの年収は、一般的に300万〜550万円程度とされています[4]。

これに対しジム経営者は、会員数と継続率次第でこれを大きく上回る収益を得られる可能性がある一方、開業初期は赤字が続くリスクや、固定費が売上を圧迫する場面も想定されます。

安定した給与を得られる雇用形態と、収益の上振れとリスクを併せ持つ経営とでは、求められる資質やリスク許容度が異なる点を踏まえて判断することが大切です。

無人ジム・24時間ジムの収益モデルを理解する

無人ジム・24時間ジムが利益率の高いビジネスといわれる背景には、月会費が積み上がるストック型収益の仕組みと、スタッフを配置しない省人化による費用構造があります。

フィットネスジム経営やパーソナルジム経営を検討する際は、この2つの特徴を理解することが収益予測の土台になります。

月会費によるストック型収益の仕組み

無人ジム・24時間ジムの収益の柱は、会員が毎月支払う月会費です。

1人あたり月6,000〜1万円程度の会費を想定した場合、会員が200人集まれば月商120万〜200万円規模のストック型収益が見込めます[5]。

ストック型ビジネスとは、契約が続く限り毎月安定した収入が積み上がるモデルを指し、新規集客だけでなく既存会員の継続率をいかに高めるかが、経営の安定度を左右する重要な指標となります。

無人化・省人化がもたらす利益率の向上

従来型のスポーツジムはトレーナーや受付スタッフの人件費が経費の大きな部分を占めていましたが、無人ジムは入退室管理システムや監視カメラを導入することで常駐スタッフを不要にできます。

POINT

これにより人件費を大幅に抑えられ、売上に対する利益率を従来型より高めやすい費用構造になる点が、無人化・省人化の最大のメリットといえます[6]。

24時間営業による稼働率アップの効果

24時間営業を行うことで、日中は忙しい会社員や、早朝・深夜にしか通えない生活リズムの利用者も会員として取り込めます。

営業時間を限定しないことで機会損失を減らし、限られた店舗面積・設備でも稼働率を底上げできる点が収益に直結します。

深夜早朝の需要を取りこぼさない体制が、24時間ジム経営の年収の安定にもつながります。

収益シミュレーションで見る利益構造

ジム経営の年収を具体的にイメージするには、実際の売上・費用・利益の内訳を数字で確認することが近道です。

ここでは24時間ジムと無人パーソナルジムという規模の異なる2つのモデルについて、月次の収益シミュレーションと、黒字化に必要な損益分岐点の会員数を具体的に見ていきます。

比較項目 24時間ジム(FC中規模) 無人パーソナルジム(マンション1室)
想定会員数 250名 30名
月会費・月額単価 7,000円 12,000円
月商 約175万円 36万円
利益の目安 月80万〜100万円程度 年間190万円前後

24時間ジム(フランチャイズ中規模)の収益例

会員数250名、月会費7,000円のフランチャイズ型24時間ジムを想定すると、月商は約175万円になります[7]。

ここからロイヤリティ約15万円、家賃25万円、光熱費・システム保守費20万円、広告費10万円などを差し引くと、月の営業利益はおおよそ80万〜100万円程度になる計算です。

年間では1,000万円前後の利益水準を見込めるケースもあり、フランチャイズ本部のサポート体制や立地条件によって数字は変動します。

無人パーソナルジム(マンション1室)の収益例

マンション1室を活用した無人パーソナルジムの場合、初期費用は300万円以内に収めやすく、年間経費は家賃・水道光熱費・機器メンテナンス費などを合わせて240万円程度が目安です。

会員数30名、月額単価12,000円と想定すると月商36万円、年商432万円となり、経費を差し引いた年間利益は190万円前後になります。

個人のジム経営の年収としては副業規模からのスタートに向いており、会員数を増やすほど利益率が伸びやすい構造です。

損益分岐点となる会員数の目安

損益分岐点は「固定費÷(月会費−変動費)」で概算できます。

POINT

家賃・システム利用料・光熱費などの固定費が月30万円、会員1人あたりの変動費を差し引いた実質利益が6,000円の場合、必要会員数は約50名という計算になります。

この考え方を基に、店舗規模や地域の相場に応じた黒字化ラインを事前に把握しておくことが、ジム経営の資金計画や継続率向上の戦略づくりに役立ちます。

初期費用とランニングコストの内訳

ジム経営の初期費用とランニングコストは、無人ジム・24時間ジムならではの入退室管理システムや防犯カメラなどの設備投資が加わる点が特徴です。

⚠ 注意

一般的なジムより省人化に投資する分、開業後の人件費負担は軽くなりますが、資金計画を誤ると開業直後から資金繰りに苦しむため、費用の内訳を事前に把握しておくことが重要です。

開業に必要な初期費用の内訳

開業に必要な初期費用は、物件取得費(敷金・礼金・仲介手数料)が100万〜300万円程度、内装工事費が200万〜500万円程度、トレーニング機器費が300万〜800万円程度が目安です[8]。

これに加えて無人ジム・24時間ジム特有の入退室管理システム導入費として50万〜150万円程度、防犯カメラや遠隔監視システムの費用も見込む必要があります。

パーソナルジムであれば機器数を絞り込むことで全体の初期費用を抑えやすくなります。

初期費用の項目 金額の目安
物件取得費(敷金・礼金・仲介手数料) 100万〜300万円程度
内装工事費 200万〜500万円程度
トレーニング機器費 300万〜800万円程度
入退室管理システム導入費 50万〜150万円程度

毎月かかるランニングコストの内訳

毎月かかるランニングコストとしては、家賃が10万〜30万円程度、光熱費が3万〜8万円程度、入退室管理システムや会員管理システムの保守費が2万〜5万円程度かかるのが一般的です。

無人ジムでは常駐スタッフを置かない分、清掃委託費や巡回点検費として月3万〜5万円程度を計上しても、有人ジムに比べて人件費を大幅に抑えられます。

広告費は集客状況に応じて月3万〜10万円程度を目安に調整すると、収支バランスを保ちやすくなります。

ランニングコストの項目 月額の目安
家賃 10万〜30万円程度
光熱費 3万〜8万円程度
入退室管理・会員管理システム保守費 2万〜5万円程度
清掃委託費・巡回点検費 3万〜5万円程度
広告費 3万〜10万円程度

開業資金の調達方法と融資のポイント

開業資金の調達では、自己資金として総投資額の2〜3割程度を用意しておくと、金融機関からの信頼を得やすくなります。

日本政策金融公庫の新規開業資金などの融資制度[9]は、事業計画の実現性や自己資金の割合、代表者の経験・信用情報が審査のポイントとなります。

加えて、地域の商工会議所や自治体が実施する創業補助金・助成金は返済不要である場合が多く、活用できれば初期費用の負担を軽減できるため、事前の情報収集が欠かせません。

よくある質問

ここまで収益モデルやコスト構造について解説してきましたが、実際にジムの経営を検討する中では、年収の目安や儲かる・儲からないの分かれ目について、細かな疑問が残る方も多いのではないでしょうか。

ここでは、開業を具体的に検討する際によく寄せられる質問について、Q&A;形式でお答えします。

Q. ジム経営は本当に儲かるのですか?
A. ジム経営は、月会費というストック型収益と無人化による人件費削減が組み合わさることで、利益率の高いビジネスモデルになり得ると考えられています。特に24時間ジムは店舗を巡回・遠隔管理する運営形態が多く、従来型ジムに比べて固定費を抑えやすい傾向があります。ただし、立地選定や周辺競合の状況、会員の継続率次第で収益は大きく変動するため、儲かるかどうかは個々の経営判断や地域特性に左右される点に注意が必要です。

Q. ジム経営が儲からないと言われる理由は何ですか?
A. ジム経営が儲からないと言われる背景には、いくつかの典型的な失敗パターンがあります。まず多いのが、開業時に必要以上の高機能マシンや豪華な内装に投資してしまい、初期費用の回収が長期化するケースです。また、周辺人口や年齢層を十分に調査しないままターゲット選定を誤ると、想定した会員数を確保できません。近年は都市部を中心に競合が激化しており、価格競争に巻き込まれることも収益悪化の一因です。さらに、開業当初は会員が集まっても継続率が低ければ、ストック型収益の強みが発揮できず、経営が不安定になります。

Q. 田舎でジム経営をしても年収は見込めますか?
A. 田舎でジム経営を行う場合、物件取得費や賃料が都市部に比べて安く、競合となるジムの数も少ないため、初期費用を抑えて開業しやすいというメリットがあります。一方で、そもそもの人口が少ないため会員数の上限が限られやすく、地域住民への認知度を高める工夫がなければ集客が伸び悩む傾向があります。こうした事情から、田舎でのジム経営の年収は都市部の相場よりやや低めの300万〜700万円程度に落ち着くケースが多く、地域内での差別化や口コミによる信頼獲得が年収を左右する重要なポイントになります。

Q. ジム経営に資格は必要ですか?
A. ジム経営を行うにあたって法律上必須となる資格はなく、無人ジム・24時間ジムであっても届出だけで開業できるケースがほとんどです。ただし、パーソナルトレーナーとして接客する場合や、会員に運動指導を行う場合は、NSCA-CPTやJATI認定トレーナーといった民間資格を取得しておくと信頼性が高まり、集客や継続率の向上につながります。専門知識を持つスタッフがいることは差別化のポイントにもなるため、資格取得は経営を有利に進める手段の一つといえます。

Q. 無人ジムの経営に向いているのはどんな人ですか?
A. 無人ジムの経営は、本業を持ちながら副業的に収益源を確保したい法人代表や、将来的に複数店舗展開を見据えて効率的な事業モデルを求める経営者に向いています。人件費を抑えられる分、少人数体制でも複数拠点を並行して管理しやすく、多店舗展開による年収アップを狙いやすい点が魅力です。また、空き店舗やマンションの一室といった遊休不動産を所有するオーナーにとっても、既存物件を活用して収益化できる無人ジムは相性の良い選択肢といえます。

まとめ

POINT

ジム経営の年収は、個人オーナーで400万〜1,000万円超、法人の多店舗展開でさらに上振れが期待できますが、無人化・24時間営業による利益率の高さを活かせるかは立地や継続率次第です。

まずは収益シミュレーションと初期費用を照らし合わせ、無理のない資金計画から検討を始めることをおすすめします。