無人ジムや24時間ジムの開業を検討する際、シャワー設置にかかる費用は内装工事費用全体の中でも判断が分かれるポイントです。
本記事では設置費用の相場と坪単価の目安、内装費全体との関係を整理し、開業判断に役立つ実務的な情報を解説します。
ジムにシャワーを設置する費用相場はいくらか
ジムにシャワーを設置する場合、費用相場は1台あたり30〜80万円程度が目安で、内装工事費用全体の1〜2割程度を占めるケースが一般的です[1]。
台数や物件条件によって総額は変動するため、以降でシャワー1台あたりの内訳、台数別のシミュレーション、シャワーなしの場合との費用差を順に解説します。
シャワー1台あたりの設置費用の目安
シャワーブース1台あたりの設置費用は、給排水設備工事と防水工事を含めて30〜80万円程度が目安とされています[1]。
内訳としては、シャワーユニット本体の価格が10〜30万円程度で、これに給排水管の敷設や防水層の施工といった設備工事費が20〜50万円程度加わるのが一般的です。
物件の給排水管の位置や既存の配管状況によっても費用は変動するため、店舗内装工事の見積もりを取る段階で坪単価とあわせて確認しておくことがポイントです。
シャワー台数別の総額シミュレーション
無人ジムでシャワーを複数台設置する場合、総額の目安は1台なら70〜150万円程度、2台なら140〜250万円程度、3台なら200〜350万円程度になります。
| 設置台数 | 総額の目安 |
|---|---|
| 1台 | 70〜150万円程度 |
| 2台 | 140〜250万円程度 |
| 3台 | 200〜350万円程度 |
台数が増えるほど給排水設備工事や換気設備の規模も大きくなるため単純な台数倍にはならず、共有配管の設計次第では1台あたりの単価が下がることもあります。
開業規模や想定利用者数に応じて、必要最小限の台数から検討することがコツです。
シャワーなしの場合との費用差
シャワーを設置しない場合と設置する場合を比較すると、内装費用には100〜200万円程度の差が生じるのが一般的です。
シャワーなしであれば給排水・防水工事が不要になるため、内装工事費用を大きく抑えられ、坪単価も低く抑えられます。
一方でシャワーがあることは駅近立地やオフィス街での差別化要因になり得るため、「ジム シャワー必要か」という判断は立地や客層を踏まえて費用対効果で検討する視点が求められます。
ジム全体の内装費用と坪単価の関係
シャワー設置費用は、ジム全体の内装工事費用の一部にすぎません。
開業に必要な総額を把握するには、業態別の坪単価と延床面積を掛け合わせた内装工事費用全体を見積もる視点が欠かせません。
ここでは無人ジム・パーソナルジム・総合型スポーツジムの坪単価差と、シャワーやスタジオ併設時の総額目安を具体的な数字で示します。
業態別の坪単価一覧(無人ジム・パーソナル・総合型)
内装工事費用の坪単価は業態によって大きく異なります。
無人ジムは省人化・省スペース設計が中心となるため坪12〜30万円程度、パーソナルジムは個室ブースやシャワー・カウンセリングスペースを設けることが多く坪20〜55万円程度、総合型スポーツジムはスタジオやプール、複数のシャワー・更衣室設備を備えるため坪30〜60万円以上になるケースもあります[2]。
| 業態 | 坪単価の目安 | 主な設備構成 |
|---|---|---|
| 無人ジム | 坪12〜30万円程度 | 省人化・省スペース設計が中心 |
| パーソナルジム | 坪20〜55万円程度 | 個室ブース・シャワー・カウンセリングスペース |
| 総合型スポーツジム | 坪30〜60万円以上 | スタジオ・プール・複数のシャワー・更衣室設備 |
同じ「ジム」という業態でも坪単価に2〜3倍の開きが出るのは、シャワーや設備工事の有無、内装デザインのグレードによるところが大きいといえます。
店舗内装工事費用相場を調べる際は、坪単価表だけでなく自店の業態区分を明確にしたうえで比較することがポイントです。
シャワー・スタジオ併設時の総額目安
シャワールームに加えてスタジオやトレーニングエリアを併設する場合、内装工事費用は最低でも1,200万円程度が目安になるというデータがあります[3]。
これは給排水・防水工事に加え、防音対策や換気設備、複数の更衣室・ロッカーの設置が必要になるためです。
無人ジムであっても、シャワーとグループレッスン用スタジオを両立させる場合は、単独設置時より工事範囲が広がる点を見込んで予算を組む必要があります。
規模拡大を検討する経営者にとっては、初期投資額が跳ね上がりやすい分岐点といえます。
延床面積・坪数別の総費用シミュレーション
延床面積・坪数別に見ると、10坪未満の小規模な無人ジムであれば内装工事費用は150〜400万円程度に収まることが多く、シャワーを1台設置しても総額を抑えやすい規模です。
30坪クラスのパーソナルジムでは600〜1,600万円程度が目安となり、シャワー・更衣室・カウンセリングルームを備える構成が一般的になります。
50坪を超える総合型スポーツジムやスタジオ併設型では1,500万円〜3,000万円程度まで幅が広がります。
| 延床面積 | 内装工事費用の目安 | 想定される構成 |
|---|---|---|
| 10坪未満 | 150〜400万円程度 | 小規模な無人ジム(シャワー1台設置も可) |
| 30坪クラス | 600〜1,600万円程度 | シャワー・更衣室・カウンセリングルーム併設 |
| 50坪超 | 1,500万円〜3,000万円程度 | 総合型スポーツジム・スタジオ併設型 |
テナント内装工事費用は坪数が増えるほど総額も比例的に増加しますが、居抜き物件を活用すれば給排水設備や防水工事を流用でき、改装工事費用を圧縮できる場合がある点も見積もり段階で確認しておきたいコツです。
シャワー設置に必要な工事内容と内訳
ジムにシャワーを設置する際の内装工事費用は、給排水設備工事・防水換気工事・更衣室設備という3つの工事項目の合計で構成されます。
給排水設備工事とは水道管や排水管を新たに引き込む工事のことで、防水工事や換気設備と合わせて実施することで漏水やカビといったトラブルを防ぎます。
それぞれの工事内容と費用相場を理解しておくことで、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
給排水設備工事の内容と費用
給排水設備工事とは、シャワーユニットに水やお湯を供給し、使用後の排水を処理するための配管を新設・接続する工事を指します。
シャワーユニット自体の価格は1台あたり10〜30万円程度で、これに配管の引き込みや接続工事費として20〜50万円程度が加算されるのが一般的です[4]。
物件によっては既存の水道設備からの距離が長いほど配管工事の範囲が広がり、費用が上振れする傾向があります。
テナント内装工事費用の見積もり時には、この配管ルートの確認が重要なポイントになります。
防水・換気工事の内容と費用
シャワー室は常に湿気にさらされる空間のため、床・壁への防水工事が欠かせません。
防水工事を怠ると漏水が発生し、下階や隣接テナントへの被害につながるおそれがあります。
あわせて換気設備を設置しないと湿気がこもり、カビの発生や設備の劣化を招きやすくなります[4]。
これらの防水・換気工事にかかる費用は合わせて20〜40万円程度が目安とされ、一見コストに見えても長期的な修繕リスクを回避するための必要投資といえます。
更衣室・ロッカーとの併設費用
シャワーと合わせて更衣室やロッカーを設置するケースも多く、この場合はロッカー本体の設置費用として1台あたり数万円程度、複数台まとめて導入すると数十万円規模になることがあります。
さらに更衣室のパーテーション工事や照明・鏡の設置を含めると、追加で20〜50万円程度を見込んでおくと安心です。
無人ジムでは利用者の動線を意識した配置がトラブル防止につながるため、入退室から着替え、シャワー利用までの流れを踏まえた設計を業者と事前に相談しておくことをおすすめします。
シャワー設置で注意すべき許認可と法規制
ジムにシャワーを設置する際は、内装工事費用だけでなく法規制への対応も経営判断に直結する重要なポイントです。
特に公衆浴場法の対象になるかどうかは事前確認が欠かせません。
また無人ジム特有の衛生管理体制や、荷重・防音といった内装工事全般の注意点も含めて、開業前に押さえておくべき許認可と法規制のポイントを解説します。
公衆浴場法の対象になるケース
シャワー室を併設する場合、その規模や運営形態によっては公衆浴場法の対象となり、保健所への許可申請が必要になるケースがあります。
公衆浴場法とは、公衆浴場の衛生管理や設備基準を定めた法律で、不特定多数が利用する入浴設備を想定した規制です[5]。
ジムのシャワー室が同法の対象となるかは自治体の判断や設備の規模によって異なるため、内装工事の計画段階で管轄の保健所に事前相談しておくと、後から設計変更を迫られるリスクを避けられます。
無人ジム特有の衛生管理上の注意点
無人ジムはスタッフが常駐しないぶん、清掃体制や衛生管理の仕組みをどう構築するかが運営上の大きな課題になります。
シャワー室は湿気がこもりやすくカビや水垢が発生しやすい場所であるため、清掃頻度が不足するとクレームや口コミ悪化につながりかねません。
定期清掃を外部業者に委託する場合はその費用も運営コストとして見込んでおく必要があり、開業前の収支計画に清掃・衛生管理費を組み込んでおくことが大切です。
荷重・防音など内装工事全般の注意点
内装工事はシャワー設置だけでなく、ジム全体としての安全性や快適性も考慮する必要があります。
トレーニング機器は重量があるため、床の荷重が基準を満たしているかを事前に確認しないと、床材の破損や機器の傾きといったトラブルにつながるおそれがあります。
また24時間営業のジムでは周辺住民への配慮として防音対策も欠かせません。
こうした項目はシャワー工事とあわせて総合的に検討すべき内容であるため、内装業者と早い段階から相談し、物件の構造や用途に合った工事内容を詰めておくことをおすすめします。
よくある質問
ここでは、ジムにシャワーを設置する際の費用や工事に関して、開業を検討する方から寄せられることの多い質問をまとめました。
費用相場や許可の要否、無人運営時の考え方など、実務的な疑問を中心に取り上げていますので、事前の資金計画や物件選びの参考にしてください。
まとめ
ジムへのシャワー設置費用は1台あたり30〜80万円が目安で、内装工事全体では業態や坪数によって坪単価が大きく変わります。
居抜き物件の活用や設備の絞り込みは費用相場を抑えるコツになります。
開業前には複数の業者から見積もりを取り、公衆浴場法などの許認可も含めて事前に確認したうえで、自店に合った内装デザインと予算配分を検討することをおすすめします。
- 物件の給排水管の位置と配管ルートを確認した
- 床・壁の防水工事と換気設備の計画を業者と詰めた
- 床の荷重条件と防音対策の必要性を確認した
- 公衆浴場法の対象となるか管轄の保健所に事前相談した
- 清掃・衛生管理費を収支計画に組み込んだ
- 複数の内装業者から見積もりを取得して比較した
